財務諸表は会社の成績表!

儲かっている企業は何が違うのか?足踏みしている企業は何が原因なのか?決算書を基に分析し、優秀なビジネスモデルをご紹介します。

資金繰りは攻めまくりのZOZOTOWN!安全性は大丈夫??

今回の記事は、 ZOZOTOWNの費用の使い方が半端じゃない事」しかし、「キャッシュフローを見ると財務的には超優良である」事について書いています。 

  

成長著しいゾゾタウン。その背景として、ツケ払いによる費用や、ZOZOSUITの投資が非常に高額ですが、そのお金はどこから調達しているのでしょうか。

 

・ ZOZOTOWNは事業にかけるお金が半端ではない

 ZOZOTOWNを運営しているスタートトゥデイ、財務諸表を見ると、儲かっているにも関わらず実はあまりお金がありません。それは多くのお金を事業に投資しているからです。

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現預金は24,571百万円、すなわち245億7,100万円です。

  多いじゃん!と思われる方もいらっしゃるかと思います。

 

 一見多額の現金を保有しているように見えますが、PLの販管費(売上を作るために掛かる費用)を見てみると、とんでもない額を使っていることが分かります。

収益と費用を示したものがこちらです。

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 販管費は全体で577億9,400万円、保有している現預金245億7,100万円に比べて、販管費は2倍以上という、ハイリスクな資金運用を行っています。

  

 販管費の詳細をもう少し見てみましょう。(単位は100万円)

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  販管費のTOP3である「業務委託料」「荷造り運搬費」「代金回収手数料」の合計が302億5,800万円と、保有する現預金245億円を超えていますね。このことからも、スタートトゥデイの現預金保有率は非常にハイリスクということが分かります。

 

 では、この現預金保有はハイリスクではあるものの、危険なのでしょうか。

これについては、CF計算書(キャッシュフロー計算書)を見てみます。

 

・安全性を見るときはキャッシュ・フロー計算書 

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 キャッシュフローとは、実際の現預金の動きです。

 

CF計算書はお金の流れを3つに色分けして、「現預金の用途に合わせていくら使われているか?」を示してくれています。

 

これを見ると、それぞれ本業で儲かったか、将来の為に投資をしているか、銀行や投資家からお金を調達しているかが分かるということです。 +であれば現預金の増加、-であれば減少を示します。

 

 では上から順番に見ていきましょう。上の営業活動によるキャッシュフロー。これは「1年間で、実際に稼いだ現預金」を示します。前年度より増加していますね。

 

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 次に投資活動によるキャッシュフロー。これは「ZOZOTOWNが企業を成長させるために使った投資の額がいくらになるか」を示しています。

去年に比べて大きく増加していますが、こちらは子会社株式の取得、そしてZOZOSUIT関係の投資の為に調達したと記されています。

 

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 そして財務活動によるキャッシュフロー。こちらには、「借入金の借り入れや配当金の支払いによる金額の増減」を示しています。今期は配当金の為増額との記載があります。

  

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 ・安全性を調べる最も簡単で速い方法をご紹介

 

ちなみに、このCF計算書には5つのパターンがあり、このパターンによって現時点での企業の安全性が分かります。

それを表にするとこちらになります。

 

 

安全性

〇~△

×

××

営業

+

+

-

-

-

投資

-  

-

+

-

-

財務

-

+

-

+

-

 

Ⅰが一番企業の安全性が高く、Ⅴは正直かなり危険です。

 Ⅰが良いとされる理由は、実際の営業活動で儲けたお金の中で投資を行い、さらに返済をしていることができる為です。

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確認すると、パターンⅠに該当し、稼いだお金で投資も返済も行われている事が分かります。

  

では、初めに確認した膨大な販管費に対する日々の資金繰りをどうしているのでしょうか。

 

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  こちらの一番上の短期借入金の収入と支出です。今期も前期も、全く同じ金額を借り入れ、返済しています。

恐らく、資金繰りが足りない時だけ銀行に借り入れて、お金が入ったら返済しているのでしょう。

 

 スタートトゥデイは財務的にも非常に優秀な企業ですので、この方法で問題がないと思いますが、もし仮に何かの影響で企業の成績が悪化した場合、ツケ払いの増加と合わせて非常に苦しい状況に陥るリスクもあります。

この点が、販管費のツケ払いの増加と合わせて少し気になるところですね。

 

 

…とは言いましても、財務的な考え方でいうと「リスクとリターン、すなわち成長」は表裏一体です。

これだけ大きな企業が年々すごいスピードで成長している原因は、このようなハイリスクなキャッシュフローも原因があるのでしょう。

 

スタートトゥデイという会社は、全体的に非常に優秀ですが、企業の成長のためにリスクをもって投資するハイリターン、ハイリスクな企業であるということが分かります。

 

これから、スタートトゥデイが判断を間違えない限りビジョンに向かって投資を繰り返し、成長を目指そうとするのでしょう。

 これからも注目していきたい企業ですね。

 

 

それでは、今回でスタートトゥデイの分析を終わりたいと思います。ありがとうございました!