財務諸表は会社の成績表!

儲かっている企業は何が違うのか?足踏みしている企業は何が原因なのか?決算書を基に分析し、優秀なビジネスモデルをご紹介します。

驚異のV字回復を成し遂げた企業を紹介。V字回復の理由とは?

「やってしまった…」
人間誰でも、そう思うことの一つや二つはあると思います。

 

つい魔が差してしまった。どこで間違ってしまったんだろう。
そして、一度地に落ちてしまうと這い上がれる人は多くはありません。

 

企業も同様、一度大きな失敗をしてしまったら再び這い上がることができる会社は多くはないと思います。しかし、今回はそんな中這い上がってきた会社。

 

 

一時期大幅な赤字を出しながらもその後V字回復し、現在はピーク時を超えるほどの成績を残している企業をご紹介します。

 

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今回取り上げる企業はマクドナルドです。

効率的な経営を重視しすぎ、賞味期限切れの鶏肉を使用してしまった疑惑が浮上・そして異物混入問題により一時期大きな赤字を出してしまっています。

 

しかし現在、最盛期を超えるほどの利益を上げていることをご存知でしょうか。
今回は決算説明書などをもとに、マクドナルドのV字回復がどれほど劇的か、また、どのような施策を行ったことにより業績が回復したか、その導入編です。

 

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まずはこちらのグラフ。これはマクドナルドの利益の推移を示しています。業績が急落した2015年はマクドナルドで異物混入事件が報道された年です。

 

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しかし、昨年2017年12月末にはこの通り。

驚くべきことに、V字回復をしたばかりではなく、最盛期を上回る成績を残しています。

マクドナルドがこの数年でどのような手を打ち、いかにしてV字回復を成し遂げたのか。
財務や企業の決算説明書をもとに解説していきたいと思います。

 

 

 

 

先出ししますが、私がマクドナルドから学んだことは以下の3点です。

①失敗に対しては迅速に、真正面から受け止める事。

②うまくいかないときには従来の顧客(ファン)に向き合う事。

③このような危機的状況は根本的な問題点に当たるチャンスでもあること。

 

では見ていきたいと思います。これは赤字の時にマクドナルドの出したリカバリープランです。

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これらに通ずるキーワードは「失った信頼を回復すること」そして「目に見える変化を」ということでしょう。

 

これを打ち出した2015年から、マクドナルドは一貫してこの取り組みを続けています。その裏側では、なんと社長が1年間で47都道府県すべてに足を運び、母親たちにヒアリングを実施。

 

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(ソース:http://president.jp/articles/-/20722

 

この時のヒアリングを通して打ち出されたのが先のリカバリープラン。

マクドナルドは飲食業ですので、

売上の要素を分解すると「顧客数×顧客単価」です。

単価は高くなり辛いので、顧客数は非常に重要な指標でしょう。

 

マクドナルドが顧客として絞ったのは、ヒアリングを受けているファミリー層や母親、若者世代です。

新商品の名称をインターネットで応募するなど、ネットを使い20代以下に刺さる取り組みはSNSでも話題になりました。

 

この取り組みとともに興味深い財務データの一つがこちら。

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これはマクドナルドの広告費をグラフにしたものです。広告費はいわゆるCMですね。

マクドナルドの広告費は最盛期の1/5、赤字を出した時の1/3にまで減っています。顧客を絞ると共に、CMまでも抑えて徹底的に顧客と向き合う姿勢を打ち出します。

 

 

そして代わりに、マクドナルドが資金を投下していたものが「ソフトウェア」。

マクドナルドは広告費を抑える代わりに、アプリを開発していたようです。

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そして、その一つがこちらのKODO。

こちらは商品や店舗についての顧客の声を、店舗側に即座に反映させるもの。

  

その内容は複数項目ありますが、メインは飲食業の指標であるQSC(クオリティ=商品の品質、サービス=接客、クレンリネス=清潔感)が中心です。

 

マクドナルドの決算説明書を見ても、この指標を重要視しているのが分かります。

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そして私がマクドナルドはすごいなと思ったのは、この顧客の声を反映させるために組織形態までがらっと変えてしまったこと。

 

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マクドナルドはもともと全国、もっと言えば全世界で同じ味、同じサービスを受けられるという所から出発する企業。しかし、それが逆にマニュアルや効率性を重視しすぎ、柔軟性が失われていた側面もありました。

 

それを打破するために組織改革を決行。エリアを東日本、中日本、西日本と地域に分け、実際にその地域に権限を委譲してしまっています。これとKODOの合わせ技はすごいの一言です。

 

機能しなくなった従来の強みを手放し、顧客の声を反映させるためにここまでやるのはマクドナルドの凄みだと言えるのではないでしょうか。

 

 

このマクドナルドの施策と今の成績から学べることは、

①失敗に対しては迅速に、真正面から受け止める事。

②うまくいかないときには従来の顧客(ファン)に向き合う事。

③このような危機的状況は根本的な問題点に当たるチャンスでもあること。

 

以上のようなことではないでしょうか。

ピンチはチャンスを地で行くマクドナルドの今後に注目ですね。

 

次回は、財務を見ると「ハンバーガーを一つ作るのに何円必要か?」などの見方が分かる方法などを書いていきたいと思います。