財務諸表は会社の成績表!

儲かっている企業は何が違うのか?足踏みしている企業は何が原因なのか?決算書を基に分析し、優秀なビジネスモデルをご紹介します。

マクドナルドの収益性を分析③ マクドナルドの戦略は「清潔感」!?これを保ち続けられるか??

2014年、2015年に異物混入事件を起こしてしまい大きく企業イメージを傷つけてしまったマクドナルド。

一度大きな失敗をしてしまったら再び這い上がることができる会社は多くはないなか、這い上がってきました。

 

今回は、一時期大幅な赤字を出しながらもその後V字回復し、現在はピーク時を超えるほどの成績を残した要因となった要素を分析したいと思います。

 

・何はともあれ売上の因数分解

 

まずはマクドナルドの売上の構造を分解します。

それは「売上=1店当たりの平均売上高×店舗数」

これらをグラフ化しながらマクドナルドの売上を分析すると、直近10年では「店舗数」がその売上げに影響を受けていることが分かります。

 

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この各店舗の売上高と、各店舗数が連動しているのが一見すると分かると思います。

 

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しかし、直近の2年間。すなわち16年度末17年度末に関しては、店舗数の増加は抑えられているのに対して各店舗の売上高は伸びています。

これは「1店舗当たりの平均売上高」が増えてきたということです。

 

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これはどういうことなのでしょうか。

 

・改めて赤字化した理由と対策は?

 

何度か以前の記事で書いていますが、マクドナルドは2014年~2015年にかけて賞味期限切れの鶏肉を商品に使うといううわさが流れたり、異物混入事件によって売上高が激減。

そして、FC店が増加した影響なのか、本社の管理が行き届かずに清潔感が失われてしまうという負のイメージも重なり、マクドナルドは大幅な赤字を出してしまいます。

 

ここでマクドナルドの取った行動は、なんとトップ自らが店舗に赴き顧客にヒアリングを実施すること。その後の改革もあって業績はV字回復していきます。結果的には、このヒアリングは非常に効果的であったようですね。ここで、改めてそのリカバリープランを見てみます。

 

 

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このリカバリープランを見ると、店舗数を増加させるといった趣旨のものは見られず、より顧客目線に立とう。より清潔感のある空間を演出しよう。

そんな方針に立ったプランが目立ちます。

 

この大きく3つに分けたリカバリープランのうち、1と3については以前取り上げた、顧客の声をダイレクトに反映させるためにアプリ「KODO」

 

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そして、その声を素早く反映させるために行われた組織再編

 

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ここには顧客の声をより素早く吸い上げようとするマクドナルドの意図が表れていると思います。

 

これらの他に、もう一つ、「店舗投資の加速」という項目があります。

私は、この店舗投資が最も業績を回復させる要因になったのではないかと推測しています。

というのも、マクドナルドは飲食店業の中でもファミリー層が顧客の中心となる業態です。

顧客目線に立てば、おいしいものを食べられる以上に、その環境が清潔であるかどうかという事は重要な要素だと思います。

 

今回マクドナルドの業績が落ちた大きな原因の一つは「異物混入などによるイメージ低下」であるため、業績を回復させるには目に見える変化を出してイメージを回復させる必要があります。

そしてそうして考え出された答えの一つが店舗のモダン化なのではないでしょうか。

 

・見過ごせない「店舗のモダン化」

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マクドナルドは店舗で食事をしてもらうことが多いはずです。だとすればその店舗をブランドイメージの要とすることは効果的だったのだと思います。

 

 上の図はマクドナルドのモダン化された店舗の一つ。以前のマクドナルドのイメージと異なり、洗練された雰囲気のする店舗になっていますね。マクドナルドはこのように洗練された店舗をどんどん増やしていっており、財務の中にも明らかに表れています。

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この2015年からのリモデル店舗数は売上高に直接影響を与えています。

 

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ここから、店舗数が増加していなくても売上高が増加した要因の一つはリモデル化にあったのだという事が分かります。

 

このように、明らかに目に見える変化を意図的に行ってマクドナルドは売上を回復させたのでしょう。

 

マクドナルドが今後成長し続けられるのかは今後の取り組み次第。

 

この1週間かけてマクドナルドの業績がV字回復した要因を見てきました。

結果として、リモデル化がV字回復の大きな要素の一つだったとすればマクドナルドの今後はその清潔感を維持できるかにかかってくるのではないでしょうか。

 

というのも、店舗は改装後はキレイですが、モダン化された店舗というのは少し汚れてしまうと途端にその汚れが目立つようになります。

 

そしてその清潔感を維持するには大きなコストを支払わねばなりません。

マクドナルドは効率的な経営を是とする企業であり、清潔感を維持するための投資はいつカットされてもおかしくありません。

 

今後、その投資を維持し続けるのか。清潔感を保ち続けて顧客目線を維持し続けられるのか。そのような点に注目してマクドナルドの今後を見続けたいと思います。

 

それでは、マクドナルドの回を終わりにしたいと思います。

ありがとうございました。