財務諸表は会社の成績表!

儲かっている企業は何が違うのか?足踏みしている企業は何が原因なのか?決算書を基に分析し、優秀なビジネスモデルをご紹介します。

LINEの儲け方から見る「インフラ」になる事の破壊力~情報社会のデータ取得の重要性~

今回は、既に「日本社会のインフラ」と化しているLINEについて取り上げます。色々なメッセンジャーアプリがある中で、LINEは日本ではなんと毎月利用する人が7100万人、その中毎日利用する人が84%と圧倒的な利用率を誇ります。

 

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そんなLINEですが、ビジネスの最小単位は広告業、そして金融業に移り変わりつつあります。特に金融などの決済の仕組みはいろんな企業が抑えようとしているところなのですが…企業としてお金を稼ぐ仕組みは一体どのようになっており、どのように決算書に現れているのでしょうか?

紐解いていきたいと思います。

 

・LINEの現在の状況は?

 

日本国内の毎月の利用者が7100万人超というLINE。そのSNSの利用率はメッセンジャーアプリに留まらず、他のSNSを圧倒しています。

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黄緑色がLINEの利用率。平成24年からSNS全体でトップでしたが、その伸び率は年を追うごとに増加していき、平成29年には他の2倍近くの利用率を誇ります。

そしてユーザー自身も性別、年代全ての世代にリーチしており、まさに日本の「インフラ」の名に恥じないものになっています。

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さて、このように多くの日本人が毎日使うSNS。そこには個人の「生の声」があふれています。これを企業として活用する場合、どのように事業として成り立つのでしょうか。

 

皆がこのアプリを使うという事は、視点を変えればLINEは多くの人が見るという事。

LINEはこれを使って企業が消費者に「個別に接触することができる広告業」として成長してきました。

 

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以前はTVが完璧に担っていたCMの役目。それは企業を認知してもらい、いい印象を抱いてもらい、ファンになって顧客になってもらうという事。しかし、TV離れも進んだSNSの時代に重要なのがネットを使った更に広くて深い「コミュニケーション」。相手に触れ続けて忘れられないという事が重要です。

 

LINEには企業のメッセージがよく届きます。その中でも自分が好きな企業のラインはよく開くはず。LINEは、このような消費者と企業をつなぐコミュニケーション装置、言い換えれば広告業がそのメインの事業となっています。

 

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そのような認識の元、決算書を読んでいただければいいのかなと思います。

 

・決算書に現れる、広告事業の止まらない「勢い」

f:id:parrrrrao:20180908180928p:plainでは、いよいよLINEの売上を見ていきましょう。LINEのこの四半期の売上は506億円で、前年比21.8%の成長率です。

500億売り上げる企業が前年比20%で成長するってすごくないですか?内訳は今まで見て生きた「広告事業」が全体の54%を占める27.2億円その他のラインアプリに紐づくゲーム(ツムツム等)やマンガ、ゲームなどの事業が全体の34%で174億円、そして戦略事業と呼ばれる部門が全体の12%を占める60億円の売上となっています。

 

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続いて広告事業のより詳細なデータですが、ディスプレイ・アカウント・その他の広告に分かれます。ディスプレイはタイムラインやLINEニュースにくっついてくる広告で売上92億円、アカウントは企業アカウントで140億円、その他はNaverまとめ等から入ってくる広告を指している物で40億円の売上があります。

 

この事業の前年比はなんと42.0%!!!非常に高い伸び率を示している通り、企業は「消費者とコミュニケーションができる場」としてLINEを利用しています。

そう考えたときに、やはり「アカウント」の広告がメインを占めているのが気になります。公式アカウント数も増え続けてきていますね。ラインの企業のアカウントの料金をご存知でしょうか?なんと最初の4週間お試しプランでも800万円!!

 

年間で払うプランに移行しても、年間で数千万円の支出になってしまいます。ですが、ラインの広告にはやはりそれだけの魅力があるという事なのです。

 

ラインは現代の広告事業を担っていますが、SNSの時代ではこのようなポジションを取っていることがいかに強いのかを理解することができます。

 

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上の図はLINEから提供される情報の一部。これによって、「的外れな広告」を打つ必要がなくなります。SNS時代に大きく変わった広告の形は、私はこのようなものだと思っていて、今激しく伸びている企業はこのような部分をしっかりと抑えています。

 

例えば「メルカリ」。通常このフリマサイトを運営する企業は、シェアリングエコノミーの企業だと思ってしまいますが、実際の伸びている源泉はユーザー同士の購買行動が全てインプットされるという「広告業」としての伸び代も多分に含まれているようです。企業の持つ購買行動のデータが、AI等のビッグデータと組み合わさるとどのようなことが起きるか?これらを想像すると、「顧客の行動記録」を抑えられる企業というのはこの時代には非常に勝ちやすいのでしょう。

 

そして、このような「広告、個人アドレス」を抑えているLINEですが、広告事業が安定的に伸びている今、新たに投資を行っているようです。

その事業はLINE PAYなどに見る「金融業」なのですが…

この財務内容などはまた次回書かせていただきます。