財務諸表は会社の成績表!

儲かっている企業は何が違うのか?足踏みしている企業は何が原因なのか?決算書を基に分析し、優秀なビジネスモデルをご紹介します。

メルカリの財務諸表分析。海外事業がまっかっかの大赤字

 メルカリって儲かっているという印象はありませんか?

しかし、実はメルカリは企業トータルの利益を見ると大赤字になってしまっています。

 

 

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メルカリは一言でいうと、「ある一定のラインを超えると、その売上が丸々利益につながる」ビジネスモデルしかし裏を返すと、「一定のラインを超えない限り一向に儲からない、利益が出ない」のです。

 

このラインを、メルカリの国内事業は超えており、海外事業は超えられていないと思ってください。しかも、その超えられていない部分が非常に大きいので、トータルで赤字を計上してしまっているのです。

 

 

では早速、どれだけ赤字なのか財務分析していきたいと思います。

 

・財務分析~国内事業と海外事業

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この国内と海外の成績は、筆者が決算報告書や短信から推定した額です。

 

左側の国内部分は営業利益が74億円出ています。営業利益とは、事業で純粋に稼いだ利益です。国内は黒字ですが、海外事業がなんと100億円以上の赤字になっています。

 

これを国内と海外に分けてグラフ化してみたいと思います。まず国内事業

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青色がプラス、オレンジと赤がマイナスだと思ってください。

国内の成績は、売上の為の経費である販管費が大きいですが、利益は残っています。なお、販管費の100億円以上は広告費です。

 

国内事業は非常に大きな広告宣伝を行ってもなお、国内事業は充分に利益が出ている状態であると言えます。

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これに対して海外事業はまっかっかの大赤字です。売上が23億ほどですが、販売の為の原価が55億、販売にかかる費用である販管費が90億弱かかってトータル100億円近い赤字が計上されています。

 

その理由は有価証券報告書に計上されています。

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これによると、経営陣の強化、アプリや配送のリブランディングが大きな要因のようです。メルカリは一度アメリカでヒットした時に物流が滞ったことがあったらしく、配送機能の向上を行うという記述も見られます。いずれにしてもすごい投資額です。

メルカリは、この投資をアメリカというものすごい競争率の高いフィールドで勝ち上がっていかなくてはなりません。

 

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そう考えると、問題は「売上の伸びが期待値に比べると非常に低い」という点にあります。アメリカで負けてんじゃねえの?となるわけです。海外事業は投資をしていく段階であり、利益が出ないこと自体は問題はありません。が、この伸びが前年比+27.2%と、投資額に比べてかなり物足りないのです。

 

国内事業の+49.5%と比べると、その伸びが足りていないことが明らかだと思います。加えて、アメリカはめちゃくちゃ商売が難しいことで有名です。業界は違いますが、あのユニクロも苦戦するほど。今のところ、アメリカで勝ち続けている日本企業は少なく、IT系でいうとほぼ皆無といっていいのではないでしょうか。

 

・それでもメルカリに期待する理由は、改善の速度と経営者

 

 しかし、メルカリの海外事業は経営者がとにかく一流どころが揃いつつあります。FacebookGoogleなどを筆頭に、世界的な企業の出身が多く集まっています。

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IT企業はその価値の大部分を人が占める業界ですので、このような経営陣が多く在籍しているのは非常に強いと思います。

 

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 2017年から次々と参画して様々なリニューアルを繰り返しているように、どんどん投資を繰り返しているように思います。スマホがメインの企業は、どれだけ改善を繰り返してユーザーに快適な使用感を提供できるかが勝負になります。

 

ここでのポイントは、日本と海外では、その「使いやすさ」の基準が異なるという可能性です。海外事業に成功している企業でも語られるのは、その文化の違いや商習慣の違いによる海外経営の難しさ。

メルカリも早々にここに気が付いたゆえに、経営者に海外のトップクラスの人材をそろえているのでしょう。

 

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実際に、大規模なリニューアルで海外版のメルカリは日本のメルカリと全く違うものになっています。その国の国民性や環境に合わせて全て変えてしまう覚悟がある。ロゴですら変えてしまう。

 

それだけ海外事業にかける想いが大きいという事でしょう。

メルカリが今後大きく成長するかは、海外事業が成功するか否か-

そんな風に思わせる決算書です。今後のメルカリの財務諸表は海外事業の推移を見ておくことは重要だと思います。

 

次回は、海外事業に次いでメルカリのもう一つの大きな投資先であるメルペイについて書いていきます。