財務諸表は会社の成績表!

儲かっている企業は何が違うのか?足踏みしている企業は何が原因なのか?決算書を基に分析し、優秀なビジネスモデルをご紹介します。

ユニクロの情報製造小売業の全貌が見えてきた①無人工場のすんごい仕組み

ユニクロのいう、情報製造小売業の全貌が少し見えてきました。

 

今期ユニクロが決算書を発表したのと同時に、衝撃的な発表をしたのはご存知でしょうか。それは株式会社ダイフクと組んで、有明にあるユニクロの工場を自動化してしまったこと。

https://www.fastretailing.com/jp/ir/library/movie/presen181009_uniqlo-ariake.html

 

ここからユニクロの情報製造小売業の将来がおぼろげながら見えてきます。

まず、情報製造小売業発表時の背景を見てみましょう。

 ・メッセージは「無駄なものを作らない」

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これは顧客の意見やニーズをくみ取って開発を行う「マーケットイン」という発想です。ユニクロは情報製造小売業を発表した時に、このメッセージを発表しています。

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そして、販売の裏側であるサプライチェーンRFIDというチップを使ってデータ管理します。これは小さなGPSのようなもので、一つ一つの商品が今、どこにあるのかをデータ管理することができます。

このデータを集積し、ビッグデータとして管理することができれば一体どのようなことができるようになるでしょう?

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ユニクロの答えはサプライチェーンの各分野での自動化・最適化。これによって本当に必要とされるものだけを売るとされています。ここまでが2017年3月に発表された出来事。

具体的な施策については分かっていませんでした。しかし今回、具体的な取り組みの一つとして発表されたのが「有明倉庫の無人化」だったのです。

 

・問題点に直接対応せず、根本から変えてしまう。

実は数年前、ユニクロは物流に問題を抱えていたようです。

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これを察知したユニクロは物流の改革に乗り出します。こういう時、本当によく目にするのは「なんとしてでもコストを下げろ!」「人件費の削減だ!!」という声。

企業の数値を追っていると、確かにそれで一時的には数値は改善されます。しかし、このように問題のある部分をコストセンターと捉えてコスト削減をすると、どんどんじり貧になっていくところが多いのもまた事実。ユニクロは違いました。物流に問題があると見るや、「物流全体で利益が出るプロフィットセンターにしよう」という発想の下改革を断行。

 

結果たどり着いたのがダイフクとの協業による「有明倉庫の自動化」だったのです。

 

 ・有明倉庫の自動化は、情報製造小売業の1つのピース

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全体像はこのようなものです。動画で見るとより分かりやすいかもしれません。本当に全然人が関与していなくてビックリしますよ。

https://www.fastretailing.com/jp/ir/library/movie/presen181009_uniqlo-ariake.html

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結果、生産性は何十倍にも。そして雇う人は90%カットされ、教育コストは80%カットされました。これは財務諸表に反映されるでしょう。しかも、今後この状況が延々続くことを意味しています。

働かれている方が辞めると、通常教育をし直して利益を上げるようになるまでに時間がかかるもの。その時のコストと時間は積み重なると膨大になってきます。それが80%もカットされているのです。

 

それ以外にもRFIDの自動検品率が100%で、ユニクロはこのデータを分析することができます。AIが情報を分析できるこのような時代においてはこのデータは大きな価値を持ちます。もちろん建設費用は膨大な額でしょうが、それを補って余りあるメリットがこの無人化にはあると思います。

 

 ・ユニクロの目指す未来は…

今回ダイフクとの協業で実現したのは「物流の最適化・自動化」当初の発表でいう所の企画・生産・物流のサプライチェーンの改革のうちの1つでしかありません。が、ユニクロは企画・生産の分野においても改革に乗り出しています。

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このすべての改革が完了した時には、ユニクロは一体どうなっているでしょうか。私は、まずは「地域性や人口によって店舗にある商品が全く違う」ようになるのではないかと思っています。そして、それは世界ではすでに取り組んでいる企業があるのですが…この続きはまた次回書きたいと思います!