財務諸表は会社の成績表!

儲かっている企業は何が違うのか?足踏みしている企業は何が原因なのか?決算書を基に分析し、優秀なビジネスモデルをご紹介します。

ユニクロの情報製造小売業の全貌がみえてきた②ニューリテール政策に向かって驀進中?

ファーストリテイリングファストリ)はどこに向かって走っているのでしょうか?

まず決算報告会の前に発表されたのは工場の自動化。そして決算説明会と同時に発表となった今後の展望から見るファーストリテイリングについて書いていきます。

 

まずは無人工場を実現したユニクロのデータをご覧ください。

 

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省人化率90%。という事は、工場の仕事の90%は自動化されたという事です。この時に驚いたのが、入庫生産性が80倍、出庫生産性が19倍、保管効率が3倍になっていること。しかも稼働時間は24時間。インパクトとして、今後財務諸表上の「販管費」が減少していく事になるかと思います。

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これがユニクロの情報製造小売業の一端なのだとしたら、一体全体像はどのようなものなのでしょうか。

 

・今までのサプライチェーン

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こちらは今までの流れ。ファーストリテイリングは年間に13億着の服を作っているようですが、一番最初の計画段階から最後の販売に至るまで1年以上かかってしまうようです。

 

ユニクロがLIFE WEARというコンセプトを掲げ、トレンドに大きく左右されない服がメインだとは言え、当然1年以上かかってしまっていると、企画段階では売れたはずの服が、販売段階になると旬を過ぎてしまうという事が現実に起こってしまうのでしょう。

 

これを、サプライチェーン改革の説明会時には「無駄なものまで作って、運んで、売っていた」という表現をしていました。

 

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無人工場は、この「運ぶ」の段階の問題点を解決する為のものでした。問題点は保管キャパの不足と集人難による人件費の高騰。

 

無人工場では人間が商品を持ち運びする必要もないので、空間丸々商品の保管に使えます。保管効率3倍というのはユニクロのように大量の服を作る企業にとっては画期的なことでしょう。また、必要な人もかなり減らすことができます。

 

・これからのサプライチェーン

 このような取り組みをサプライチェーンすべてで行うつもりのようです。

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例えば、「企画や計画」段階でGoogleと協業して世界中の情報を収集しています。そしてその情報と過去の販売データをビックデータとして集め、販売計画に置き換えるようです。

 

情報収集も機械の方が得意でしょう。情報収集を人に頼るとどうしても一部の情報しか集めることができず、偏った情報になってしまいます。情報収集に時間もかかるでしょう。それを機械がやる。機械は疲れませんし世界中からデータを集めることができます。

 

このように、すべてのサプライチェーンで他企業と協業し、企画から販売までの期間を大幅に縮める方針のようです。

 

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また、その際に大きな役割を発揮するのがRFIDというGPSのようなチップです。これを生産の段階からつけることによってどの服がどの段階にあるのかを正確に把握できるようになるようです。

 

このようなデータ管理や自動化を、リアル店舗に紐づけていくのがユニクロの情報製造小売業の狙いなのではないでしょうか。

 

サプライチェーンの全体像を見ると、浮かんでくるのはジャック・マーのの言葉

 このようなRFIDを全ての服に取り付け、さらにその購買動向を分析できる下地が備わっている。この条件で思い出すのは元アリババCEOであるジャック・マーの「10年、20年後の未来に、「EC」がなくなり、代わりに「新しい小売」が出てくるだろう。これはオフライン、オンラインと物流の融合である。」という衝撃的な発表とともに打ち出された「ニューリテール政策」です。

 

f:id:parrrrrao:20181025090220j:plainSoftbank World 2014より)

ニューリテール政策はオンラインとオフラインの融合で、購入された商品のデータを基に、デジタルでデータ管理や分析が行えるようになっています。例えば中国では個人経営のコンビニが数百万店あるそうですが、このニューリテール政策を取り入れた大学の近くにあるあるお店はその大学の学生がある輸入品のお菓子を購入しているという購買データを把握し、店舗に陳列したところ店舗売上は前年比数十%アップを実現したそうです。

 

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(出典:https://glotechtrends.com/alibaba-new-retail1-170829/

ユニクロZOZOTOWNにかたくなに出店しないのはどのような理由からでしょうか?私はアプリを使って購買データを把握する為に出店していないのだと思っています。

そして、データ管理や工場の無人化など、その歩みの方向性はオンラインとオフラインの融合、ジャック・マーのいうニューリテール政策に向かっているような気がしてなりません。

 

皆さんはどう思われるでしょうか。

 

今後のユニクロの向かう先に注目したいと思います。