財務諸表は会社の成績表!

儲かっている企業は何が違うのか?足踏みしている企業は何が原因なのか?決算書を基に分析し、優秀なビジネスモデルをご紹介します。

財務諸表からDeNAの事業分析。一番ホットな事業はベイスターズか?SHOWROOMか?

今回はDeNA(ディーエヌエー)の財務諸表の中でも最新の四半期決算書(3か月ごとに発表される速報の決算書です)を使ってDeNAの最新の姿を見ていきたいと思います。

 

ちなみに、DeNAはゲーム、ベイスターズSHOWROOMなど複数事業に関わっていますが、今期、唯一成長している事業があります。その事業は一体何でしょうか?

 

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ベイスターズでしょうか、

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それともSHOWROOMだと思いますか?

DeNAの決算書では各事業の売上なども詳細にあげられていますので確認していきましょう。

 

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20191Q(4~6月)の業績が最新ですね。売上収益は339億円。DeNAは事業を「ゲーム事業「EC事業」「スポーツ事業」「新規事業」と区分しており、内訳を載せてくれています。

 

それをグラフにしたものがこちらです。各事業一番右側が最新の売上です。

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これを見ると、ゲーム事業の20191Q(2018年4~6月)の売上が下がっています。DeNAはゲーム事業に多額の投資をしています。が、まだその効果は現れてはいないようです。

 

DeNAのゲーム事業はどのような内容を扱っているのでしょうか。決算書にその内容が記載されていましたので確認してみましょう。

 

・ゲーム事業

 

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まずゲーム事業は任天堂との協業が大きな柱として説明されています。なるほど、スーパーマリオどうぶつの森など、有名なゲームが並んでいます。

 

 

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次にオリジナルゲームのヒットや世界中のゲームを日本で配信することを目指しているようです。とはいうものの、先ほどご覧いただいたように売上は下がってしまっていますので大きな売り上げにはつながっていないような状況です。

 ちなみに、ゲーム事業の売上減少の要因は「日本国内のアプリを通した売上の減少」。最も重要な部分の売上が下がってしまっているのが現状です。 

 

このような場合には取るべき戦略は2通りあります。攻めるのか、守るのか。攻めるのであれば積極的な広告宣伝を行いゲームの利用率を増やすこと。守るのであれば逆に売上に対して広告などを抑え、必要な支出以外をしっかりと抑えるという方法です。

 

 

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DeNAが選んだのは後者のようです。マーケティング費用を抑え、業務委託費を精査するとの記述がみられます。

ゲーム事業は今期は守りの体制に入ったように見えるDeNA.他の事業についてはどのように語っているのでしょうか。

 

・EC事業はトラベル事業を売却

 

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EC事業は「決済事業」「オークション」「トラベル」という風に分かれていたのですが、2018年5月に事業譲渡しています。EC事業は今後DeNAがどこかの企業を買収するという事でも起こらない限り、急激な売上の増加は見込めないでしょう。後は何より決算書のスライドが非常にシンプル。今成長産業とは言えないでしょう。

 

・スポーツ事業(ベイスターズ

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続いてベイスターズに関する記述がこちら。EC事業に比べて明らかに説明に力が入っています!(笑)

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それもそのはずで、2013年からの比較で見てみると、スポーツ事業と新規事業はDeNAの中で大きな成長産業になっています。(グレーのグラフ)

 

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その中でも、スポーツ事業は既に20億近くの利益を出しており、DeNAの第二の事業になりつつあります。(3Q4Qは10~3月で野球のシーズンオフの為、利益は出ない構造になっています。)

 

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特に前期は球団史上最速で観客動員数100万人に到達したようで、過去最高を毎年更新しています。また、今期営業利益(売上から原価を引いて、売上の為の人件費や広告費を引いた利益)が前年に比べて成長したのはスポーツ事業のみですスポーツ事業はDeNAの大きな柱になっているのは間違いありません。

 

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また、2017年の稼働率は96.2%で観客動員数は198万人。つまり試合をやるとほぼ満員という事です。2014年には稼働率74.5%で秋も目立っていただろうという中で物凄い来場数の増加です。

 

DeNAはより来場数を見込めるという事で、2020年までに約6000人収容人数を増やせるように計画中のよう。その半分は個室観覧席と、おそらくVIP用の席を増やして客単価を上げるような施策も取っています。

 

 

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また、スポンサー収入や放映権、飲食やグッズ販売等も含めた収入も増加し、観客動員というスタジアムの能力的に売上の限界が決まっているもの以外の収入を増やす努力も積極的に行っているようです。

 

・新規事業(SHOWROOM等)

最後に新規事業です。

 

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こちらはキュレーションメディアをたたんでしまった影響から、まだ利益には貢献していない事業が多いですが、スポーツ事業と同様成長率には目を見張るものがあります。

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タクシー配車アプリであるタクベルはタクシー事業で協業した後に自動運転につなげる計画を立てているようですし、

 

 

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TikTokに代表されるLIVE事業はDeNAが分割したShowroomが押さえています。f:id:parrrrrao:20181029231922p:plain

 

このLIVE事業はスマホの次世代の利用の柱であり、TikTokやインスタ、YouTubeなどに代表されるようにパラダイムシフトの先にあるものだと言われています。

iPhoneもXRやXsに代表されるように画面がどんどん大きくなってきていますし、この流れは今後継続していくのではないのかと思います。

 

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とは言え、SHOWROOMなどはまだまだ赤字が続いているようです。まずは利用者を増やすことが先決です。

 

まとめ

以上、今期のDeNAの財務諸表を元にDeNAの現在の事業を見てきました。最後にもう一度、DeNA各事業の営業利益を見てみましょう。

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改めて確認すると、現在の第2の柱はベイスターズ。続けて成長を期待したいしたいのは将来の自動運転まで先を見据えているようであるタクシー配車事業と、スマホの次世代の利用の姿であるLIVE事業の成長ではないでしょうか。

 

ゲーム事業が限界を迎えている中、ShowroomなどのLIVE事業がある新規事業はより重要かと思います。まだ投下している費用に比べて売上が上がっていないようですから、まずは売上が上がって営業利益が出るようになる事が第一目標でしょう。これからの成長に期待ですね。

 

それではここまで読んでくださってありがとうございました!