財務諸表は会社の成績表!

儲かっている企業は何が違うのか?足踏みしている企業は何が原因なのか?決算書を基に分析し、優秀なビジネスモデルをご紹介します。

必要なかったの…?ZOZOSUITとZOZOの別れ。ZOZOSUITは”重かった”?

ZOZOが2018年の2Q(7~9月)の決算書を発表しました。

この時、ZOZOの社長はゾゾスーツを将来的に必要ないと言う、ある意味ZOZOSUITは失敗だったともとれる発言をしています。ZOZOはZOZOSUITと早々にお別れを決断したのでしょうか。(真意はそうではないのかなーと財務諸表や決算書類を見てると思うのですが)

決算書などを基に確認していきましょう。

 

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まずは結論から。商品取扱高は708億円で前年比+17.9%、販管費は205億で+50.2%、営業利益は41億で-28.6%です。売上は伸びたものの、利益が減少という結果となっています。

 

・取扱高は上昇。成長は持続中

 今期の3カ月のゾゾタウン全体の取扱高は708億円でした。ゾゾタウンの売りの一つに豊富なブランド数があります。それによってそのブランドが好きなユーザーがゾゾタウンを利用し、さらに便利になっていくのがZOZOの勝ち筋でした。

 

基本的にはこの流れは今期も継続しているようです。

 

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商品取扱高をグラフ化するとこのような感じに。2Q(7~9月)を見ると前年比では取扱高は伸びていっています。アパレルブランドはこれからが売上が集中する時期なので、売上自体は今年度も期待できそうです。

 

販管費の伸びが止まらない

 しかし、売上の為に必要な費用(人件費や商品の運送費等)である販管費が商品取扱高以上に増加しています。

 

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2016年の4月を基準に取扱高と販管費の伸び率を調べてみると、

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2017年まではきれいに連動しているのですが、

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2018年に入ったとたんに連動しなくなっています。ZOZOはこの3カ月の間に利益が落ちていますが、これは売上の伸びに比べて販管費の伸びが激しいことからきているようです。

 

販管費が増えている理由は何でしょうか。販管費の内訳を見てみるとそのヒントが隠されていました。

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人件費、運賃、プロモーション関連費が多くの額を占めています。人件費とプロモーション関連費の増加はどうやらZOZOSUIT(ゾゾスーツと読みます)によるもの。

 

運賃は近年値上がりが続いているにもかかわらず、配送料を一律200円にした影響で、売れば売るほど増えていってしまうようです。

 販管費の伸びはゾゾスーツの影響がかなりあると言えるでしょう。ゾゾスーツは利益を圧迫し、非常に重い費用になっています。 

 

こんな影響もあり、営業利益は41億7800万で、2016年~2018年の中で最低の水準になってしまっています。

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決算書の書類を確認すると、やはりZOZOPB(プライベートブランド)事業が40億近くのマイナスで、営業利益の減少に大きく影響を及ぼしています。

 

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ZOZOのプライベートブランドは始まったばかりなので、将来的に回収できる見込みが大きければ、営業損失が出ることは大きな問題ではないでしょう。ただし、問題はこのプライベートブランドに将来性があるのかという所です。

 

プライベートブランドについて。目標達成には原状一日1万個の受注が必要。

 ZOZOの社長は当初の計画では今期にプライベートブランドで200億の売上を出す!と仰っていたのですが、この計画は可能なものなのでしょうか?

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今期は受注自体は15億を達成したが、発送が出来なかったという発表をしています。目標額は後180億近く。ZOZOのビジネススーツが発表になった時点でのプライベートブランでの平均購入単価は1万円弱でしたから、大体あと180万回ほどの注文を取らないとこの数字は達成できません。

この決算で半期分終了しましたので、今期はあと180日。という事は、現状では1日1万個の注文を取らないと 200億には届きません。

 

しかも、注文実績は「注文」ですので、途中キャンセルなどの数値は考慮に入れているのか少し疑問が残ります。仮にキャンセル分が抜かれていたとしても、10億円の未発送分が全てオーダースーツだとしたら、初回の値段24,800円、通常値段の39,900円の基準でザックリ計算しても、30000~35000着分が発送されていません。

 

そんな状態でZOZOSUITの新展開。

 

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その新技術は、どうやらビッグデータを使ってスーツなしでもジャストサイズの計測ができる!という事のようです。

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ゾゾスーツは恐らく服に大きな興味が無かったり、特殊な体型で既製服では会う服がないという人にハマる施策だと思います。なのでゾゾスーツなしで計測できる方向に進むこと自体は間違ってないと思います。

 

ただ、その計測ってゾゾスーツを使うよりはるかにはるかに難しいんじゃないのか…と思うのは素人目なのでしょうか。しかもPB事業の社員さんの人数は79人です。そんな状態でさらに新しい技術を開発する余力ってあるのでしょうか。

追記:どうもZOZOはこの点を解決するために別企業に投資を行っていたようです。それに関しての記事はこちら。)

parrrrrao.hatenadiary.jp

 

 

また、ZOZOSUITの配布状況は600~1000万枚から300万枚に大幅に減少しています。

ZOZOは世界進出も狙っている趣旨の発言もされていましたが、人種も体格も異なる世界中の人々を、300万枚のビッグデータで、高い計測ができるのでしょうか。(しかも、300万枚配布したからといっても全員が計測してくれるとは限りません。)

 

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配布計画減の資料を見ると、そこには配布計画変更後のコスト30億減の文字。

 うーん…ここはほんとに諸刃の剣でしょうね。スーツなしの技術が上手くいけば飛躍的に発展する一方、失敗に終わればゾゾにとっては大出血です。

 

もうほんと小言ですが、方針の変更は致し方ないと思いますが、このデータで本当に「世界中をかっこよく」できるのでしょうか。このような疑問がどうしても出てきてしまします。

 

以前、ゾゾスーツは初心者向けなのでいずれゾゾスーツなしでも計測できる技術が開発されるはずとこのブログ内で書きましたが、それは高い精度を得られてからの話であるべきではないかと思います。

 parrrrrao.hatenadiary.jp

今後ZOZOはどのように進んでいくのでしょうか。

他にも今期の決算書から分かることは多々ありますで、またこのブログに上げていきたいと思います。