財務諸表は会社の成績表!

儲かっている企業は何が違うのか?足踏みしている企業は何が原因なのか?決算書を基に分析し、優秀なビジネスモデルをご紹介します。

キャッシュフロー計算書から見る今期のZOZO。やはりpixiboへの投資が次代への成功のカギか。

 

ZOZOの前澤社長はゾゾスーツを無くしますという発言をして決算発表を騒がせていましたが、ゾゾスーツを無くすというだけでプライベートブランドからの撤退は無いようです。

何故そう思えるのか。それは、今期の決算書で発表になったキャッシュ・フロー計算書で分かります。

 
このキャッシュ・フロー計算書とは、「どれだけのお金を稼いで、何に投資し、どこからお金を借りたのか」を教えてくれます。
今までZOZOは、現金をあまり持たない超が付くほど攻めの経営を行ってきました。その経営を支えるものは、本業の「圧倒的な稼ぐ力」でした。
 f:id:parrrrrao:20181105104821p:plain
2017年の決算書から作成したキャッシュ・フロー計算書の図をご覧ください。一番左が2016年の4月時点の現金で一番右が2017年3月の現金です。真ん中の3つが現金の増加の理由なのですが、「営業活動によるキャッシュ・フロー」が大幅な増加をみせています。

これは、本業で圧倒的に稼ぎ、事業投資や配当などもその範囲で行われていたことを示しています。

それが、2018年の3月(今から半年ほど前)の決算書では

f:id:parrrrrao:20181105104918p:plain


 
営業活動によるキャッシュ・フローが昨年よりさらに稼いでいるものの、投資活動と財務活動によるキャッシュ・フローのマイナスが大きくなっています。このマイナスはZOZOSUIT関連の固定資産への投資によるものでした。

このように、ZOZOは次の成長するための道具として、明確にゾゾスーツへと投資を行ってきました。
 

f:id:parrrrrao:20181105104934p:plain

繰り返しになりますが、これだけの投資をし、現金を持たないでいられたのは、ZOZOが「本業で圧倒的な成果を出している」という事が理由でした。

それが、今期の半年分のキャッシュ・フローを見ると「本業で稼ぐ力」が弱まってきていることが分かります。
 

f:id:parrrrrao:20181105104952p:plain

f:id:parrrrrao:20181105105004p:plain


 
これも原因はZOZOSUIT。ZOZOはZOZOSUITを無料配布していましたが、その配布に比べて利用率が大幅に低かったこともあるのか、配布に比べて売上が伸びていません。

ZOZOSUITの影響はこのような所にも表れているんですね。

ちなみに、将来ZOZOSUITを無くして、測定の精度を上げる為の布石は投資活動によるキャッシュフローに現れています。
 

f:id:parrrrrao:20181105105019p:plain


それはpixiboへの投資。Pixiboはシンガポールにあるサイジング技術に関して最先端の技術を持つ会社です。

f:id:parrrrrao:20181103122214p:plain

f:id:parrrrrao:20181105105049j:plain

(出典:https://wearepixibo.com/


この会社のホームページによると、コンバージョン(購入率)が70%も上昇し、サイズ違いによる返品率が最大20%減少する結果となっているようです。

 

実はオンライン経由での販売で、最も大きな問題といわれているのがカートに商品を入れてから決済がされない「離脱率」とサイズ違いによる「返品率」。

f:id:parrrrrao:20181105105115p:plain

(出典:https://wearepixibo.com/

Pixiboはネットでも適切なサイジングを行う技術により、この問題を解決できるとうたっています。これはZOZOSUITの解決したい問題と非常に親和性が高いと思います。


この企業に出資をすることができたからこそ、ZOZOSUITは将来不要になるという発言を行ったのかな?と今となれば思います。

 

この技術が本当に使い物になるレベルまで上がると、「ZOZOSUITの配送費は減り、本業の稼ぐ力も再び上昇し、わざわざZOZOSUITを着用してサイズを測る手間がいらないことから利用率が増える」という成長ストーリーを描くことができます。

f:id:parrrrrao:20181105105551p:plain

しかし、あくまでもその為には「ZOZOSUITなしでのサイズ計測がどれくらいのレベルまで精度をあげられるのか」が課題でしょう。ここがイマイチであれば全て台無しになってしまう事も十分あり得ます。

 

ZOZOSUITの配送は遅れ、ビジネススーツは製造後遅延し、既にZOZOSUITは2アウトを取られている状態です。次だめならもう利用はされないかも。

 

ここからの3カ月、次の決算発表までどのような状況に持っていけるのか。ZOZOは本当にこの3カ月が重要なのではないでしょうか。ここを乗り越えるZOZOを見てみたいですね。